ハンドメイドで漆塗りの家具と器

ラジ日記2

 僕は兒玉家の飼い犬ラジです。
僕の家は、道後温泉で有名な松山市から高知へ向かう、R33で約1時間の久万高原町という、人口8000人ほどの町の中心から又もや車で15分くらいの、小さい集落のなかほどにあります。

 飼い主夫婦は、今から30年以上前に木工の修業先の、宮崎県から地元の松山に帰って来た時、迷わずこの久万の山の中で仕事を始めようと思ったそうです。

 それは地元産の材木が豊富だと考えたからだし、木工機械を使うときに出る騒音で、周囲に迷惑のかからない場所が良かったとか。

 何のツテも無く、仕事場と家探しに困っていた時、友達のお父さんで当時、愛媛大学の農学部長で林学が御専門だった、猪瀬理先生に久万の人を紹介してもらい、そのおかげで無事に家と少し離れたところに仕事場を、お借り出来ることになったんだそうです。

 猪瀬先生は、久万町の林業に関わられ、アドバイスをされていて、その後も何かと飼い主夫婦を応援して下さったのですが、残念ながら3年前にあの世へ旅立たれました。

 すばらしい教育者でほんのちょっとした事でも、いっぱい褒めて下さり、松山での個展では毎回御夫婦お揃いで来て下さいました。猪瀬先生に頂いた林学の辞典は先生の思い出と共に大切にしまわれています。

 お茶の時間などに飼い主夫婦は猪瀬先生の事を懐かしんで話し合っています。
「すばらしい先生だった」と。ぼくもお会いしたかったナー、だって先生は犬が大好きでお家にも大切に飼ってらした犬が居たのだそうです。

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